ブログ
blog
不動産投資は「出口戦略」で決まる
- 2025.12.15
- ブログ
売れる物件・売れない物件の決定的な違い
不動産投資において、多くの人が「どの物件を買うか」には時間をかけますが、「どうやって売るか」まで考えて購入している人は、決して多くありません。
しかし、実務の現場で数多くの事例を見てきた立場から断言できることがあります。不動産投資の成否は、購入時点でほぼ決まっており、その正体が「出口戦略」です。
本コラムでは、
・なぜ出口戦略が不動産投資の本質なのか
・売れる収益不動産と売れない収益不動産の決定的な違い
・中級者以上が次のステージに進むための判断基準
を、データと実務視点を交えて解説します。
1|不動産投資は「買う前に売却が始まっている」
株式投資や投資信託と異なり、不動産投資は流動性が低い資産です。つまり、「いつでも簡単に売れる」ものではありません。
にもかかわらず、多くの投資家が次のような考え方で物件を選んでしまいます。
- とりあえず利回りが高い
- 金融機関の融資が出た
- 今は満室でキャッシュフローが出ている
これらは短期的には正しく見えても、出口を想定していない投資は、将来“動かせない資産”になるリスクをはらみます。
成功している投資家ほど、「この物件は、将来誰が買うのか?」という問いから、すでに投資を始めています。
2|売れる収益不動産には「次の買い手」が明確にいる
売却できるかどうかは、物件そのものの良し悪しだけで決まりません。最大のポイントは、「次に買う人が想像できるか」です。
■ 売れる物件の特徴
- 個人投資家でも検討可能な価格帯
- 金融機関評価が出やすい立地・規模
- 実質利回りが市場水準を満たしている
- 特別なノウハウがなくても運営できる
■ 売れない物件の特徴
- 利回りは高いが、立地が弱い
- 法規制・権利関係が複雑
- 特定のオーナーしか運営できない構造
- 金融機関が評価しにくい
出口戦略とは、「自分が欲しい物件」ではなく「市場が欲しがる物件」を選ぶことに他なりません。
3|出口戦略を左右する最大要因は「金融機関評価」
収益不動産の売却価格は、金融機関がどれだけ融資を出せるかでほぼ決まります。
これは非常に重要なポイントです。
■ 売却価格の決まり方
- 現金買い:一部の富裕層のみ
- 融資利用:大多数の投資家
つまり、金融機関が評価しない物件は、買い手の母数が一気に減るのです。
■ 金融機関が評価しやすい条件
- 駅徒歩10分圏内
- 人口動態が安定しているエリア
- 修繕履歴が明確
- 家賃設定が相場から乖離していない
- 売却想定時期に償却年数の残年数が10年以上残っている
成功者は、購入時点で「どの金融機関が、どの条件で評価するか」まで具体的に想定しています。これは、私が10年以上の銀行員生活で感じた生の声ですので、間違いありません。
4|「高利回り=出口が良い」は大きな誤解
表面利回り10%超の物件が、必ずしも良い出口を持つとは限りません。むしろ、高利回り物件ほど出口が難しいケースも少なくありません。
■ 高利回り物件の落とし穴
- 家賃水準がすでに限界
- 修繕リスクが顕在化しやすい
- エリアの需要が限定的
- 将来の利回り改善余地がない
出口で評価されるのは、「今の利回り」ではなく「将来も維持できるか」です。
中級者以上の投資家が重視すべきは、派手な数字ではなく、再現性のある収益構造と言えるでしょう。
5|出口を意識すると「買ってはいけない物件」が見えてくる
出口戦略を意識し始めると、不思議なことが起こります。これまで魅力的に見えていた物件が、一気に「危険な物件」に見えてくるのです。
■ 代表的なNG例
- 特殊用途すぎる建物(寮・社宅仕様など)
- 違法建築・既存不適格
- 修繕計画が立てられない構造
- 地域需要が極端に限定されている
これらの物件は、「買える人が限られる=売れにくい」という明確な弱点を持っています。
6|出口戦略を考える投資家が、最終的に選ぶ物件
実務の現場で、高単価の相談につながる投資家ほど、次のような言葉を口にします。
- 「この物件、将来誰が買いますか?」
- 「次のオーナーは融資を使えますか?」
- 「売却時に説明しやすい物件ですか?」
これらはすべて、出口戦略を前提とした思考です。
不動産投資が“事業”に変わる瞬間は、売却まで含めて設計し始めたときと言っても過言ではありません。
まとめ|不動産投資は「出口から逆算する時代」
不動産投資は、「買えたかどうか」ではなく「売れるかどうか」で評価される時代に入っています。
- 出口を考えない投資は、資産を固定化する
- 売れる物件は、購入時点で条件が揃っている
- 成功者は最初から出口を設計している
収益不動産は、正しく選べば、資産を守り、次の投資につなげる強力な手段になります。
このコラムが、「次の一棟」「次のステージ」を考えるきっかけとなれば幸いです。
CONTACT
お問い合わせ