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金利上昇の中、都内の不動産投資で「収支がマイナス」でも投資する理由
- 2026.08.31
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相続対策だけ?実はそれだけではない、収益不動産を持つ意味
都内の不動産投資って、物件価格が高すぎません?
金利も上がって、今の利回りでは毎月の収支がマイナスになる物件ばかり。
確かに、都内の収益不動産は物件価格が高くて、購入価格に対する表面利回りだけを見ると、地方の物件と比べてかなり低いです。3%とか4%とかですもんね。
そこに融資金利の上昇が加われば、
「家賃収入-経費-ローン返済」で計算すると、毎月のキャッシュフローがマイナスになるのは目に見えてます。
では、なぜそれでも都内の不動産投資をする人がいるのでしょう。
「相続対策だから?」
もちろん、それも大きな理由の一つです。
しかしながら、私は相続対策だけでは説明できないと思ってます。
不動産投資は、「毎月いくら儲かるか」だけで考えると見えない価値があるからです。
今回は、金利上昇という環境の中、あえて都内の収益不動産に投資する人がいる理由について、私自身の銀行員時代の経験も踏まえてお伝えしていきたいと思います。
「毎月の収支がマイナス=失敗」とは限らない
まず、ここは不動産投資を考える上で、めちゃくちゃ重要なポイントです。
不動産投資では、
家賃収入-経費-ローン返済=キャッシュフロー
という考え方が基本になります。
当然、毎月の手残りがプラスになるに越したことはありません。
私自身も、収支計画を作る際には、現在の金利だけではなく、金利上昇や空室、修繕などを想定して、どこまで耐えられるのかを見ることをおすすめしてます。
ただし、ローン返済には「元本返済」が含まれているってところがミソです。
例えば、毎月のキャッシュフローがマイナス5万円だったとしても、その一方でローン元本が毎月10万円減っているとします。
そうすると、
現金は5万円減るけれど、借入残高は10万円減っている。
という状態になります。
もちろん、「だから毎月赤字でも問題ない」という話ではありません。
税金、修繕費、空室、売却時の費用なども考える必要がありますが、それでも不動産投資を毎月のキャッシュフローだけで判断するのは少しもったいないってことです。
理由①「都内の土地そのもの」に価値を感じている
都内の不動産投資を考えるとき、地方の収益不動産と大きく違うのが、土地の希少性です。
土地は新しく作ることができないって聞きますよね。埋立地は別物ですが。
特に、
- 駅から近い
- 生活利便性が高い
- 企業や商業施設が集まっている
- 人口・世帯数が比較的安定している
といったエリアでは、土地そのものに一定の需要があります。
だから投資家の中には、「今の利回りが何%か」だけではなく、
「この土地を10年後、20年後に誰が欲しがるのか」
という視点で物件を見ている人がいます。
都内の収益不動産は、単純な家賃収入だけではなく、将来的な資産価値まで含めて考える必要があるわけです。ただし、それだけで判断するのはNGです。
理由②「インフレに対する資産防衛」という考え方
もう一つ、不動産投資をする理由として考えられるのが、インフレへの対応です。前回のコラムでも話してますが、物価が上昇すると、現金の購買力は相対的に低下します。
一方で、不動産は土地や建物という実物資産です。
もちろん、「インフレになれば不動産価格が必ず上がる」わけではありません。
金利が上昇すれば不動産価格の下落要因にもなりますし、人口が減少するエリアでは、インフレ環境でも需要が弱くなる可能性があるわけで。
ただ、土地価格や建築費、人件費などが上昇する局面では、不動産という実物資産を保有することに一定の意味があります。
だからこそ、資産をすべて現金で持つのではなく、
現金+株式+不動産など、異なる性質の資産を組み合わせる。
こうした考え方をする投資家も一定数いると思っています。まぁ今の時代は外貨や金を持つ人も増えたので、昔よりは少ないかもですが。
理由③「将来の家賃収入」を買っている
不動産投資には、株式などとは違った特徴があります。
それが、毎月家賃が入ってくることです。ここがめちゃくちゃ大事なポイントですね。
仮に購入当初のキャッシュフローが大きくなかったとしても、ローン返済が進めば借入残高は少しずつ減っていきます。
そして、最終的にローンを完済すれば、そこには借入金のない収益不動産が残ります。
もちろん、その後も固定資産税や修繕費、管理費などはかかります。
それでも、
「将来、家賃収入を生み出す資産を今から作っておく」
という考え方は、不動産投資の大きな魅力です。
特に老後の収入源を考えるとき、「給与がなくなった後に、毎月家賃収入が入ってくる」
という状態を作れることは、資産形成において大きな意味を持ちます。
理由④「相続対策」はやはり大きい
ここまで説明してきましたが、やはり相続対策も不動産投資の最も大きな目的の一つです。
現金や預貯金は、基本的にその金額がそのまま相続財産として評価されます。
一方、不動産は一定のルールに基づいて評価されるため、実際に購入した価格や市場価格と、相続税評価額が異なる場合があります。僕の銀行員時代のお客様も、資産管理会社の株価を落とすために区分マンション買ったりしてましたね。
さらに、賃貸用不動産については、一定の要件を満たすことで評価額の計算上、考慮される仕組みがあります。
ただし、「不動産を買えば相続税が必ず安くなる」という単純な話ではありません。
相続対策だけを目的に、収益性や将来性を無視して物件を購入するのは危険です。
相続税を減らすことができても、毎月大きな赤字を垂れ流していたら、資産形成としては本末転倒です。
相続対策については、税理士などの専門家と具体的なシミュレーションを行うことが大切です。
理由⑤「損益通算」という税務上のメリット
そして、もう一つ不動産投資を考える上で知っておきたいのが、損益通算です。
会社員などで給与所得がある方の場合、一定の条件を満たせば、不動産所得の赤字と給与所得などを損益通算できる場合があります。
簡単に言えば、「不動産所得の赤字を、給与などの所得と合算して所得税を計算する」という仕組みです。
そのため、実際のキャッシュフローとは別に、減価償却費などによって税務上の不動産所得が小さくなり、結果として税負担に影響するケースがあります。
ただし、ここは非常に誤解されやすいところです。
「不動産投資で赤字を出せば、必ず節税できる」という話ではありません。
不動産所得の計算にはさまざまなルールがあり、すべての赤字がそのまま給与所得と損益通算できるわけでもありません。
また、税金が減ることと、現金が増えることは別問題です。
ですから、損益通算だけを目的に物件を購入するのではなく、物件そのものの収益性や将来性を確認した上で、税務面も含めて総合的に判断することが大切です。
この「不動産所得と給与所得の損益通算」については、かなり奥が深いテーマなので、次回のコラムで詳しく解説したいと思います。
私が銀行員時代に感じていた「不動産投資の見方」
私は不動産業界に入る前、10年以上銀行員として融資業務に携わっていました。
その経験から感じるのは、銀行が収益不動産を見るとき、
「この物件は利回りが何%なのか」だけを見ているわけではないということです。
重要なのは、
- そのエリアに賃貸需要があるのか
- 家賃収入は安定するのか
- 金利が上がっても返済できるのか
- 修繕費を負担できるのか
- 借入残高と物件価値のバランスはどうか
- 将来売却できるのか
といった、事業として継続できるかどうかです。
銀行員時代にも、
「利回りが高いから安全」ではないということを何度も感じてきました。
むしろ、利回りが低くても、賃貸需要が安定し、土地の価値があり、将来の出口まで描ける物件の方が、金融機関から見ても説明しやすいケースがあります。
「毎月赤字でもいい」のではなく「なぜ赤字なのか」が重要
ここまで読んで、
「じゃあ、毎月マイナスでも不動産投資をしていいんですね?」
と思った方もいるかもしれませんが、それは大間違いです。
私が伝えたいのは、「赤字でもいい」ではなく、「なぜ赤字になるのかを理解していることが重要」ということです。
例えば、
「金利が上がったらどうなる?」
「空室が2部屋出たら?」
「修繕費が500万円かかったら?」
「家賃が5%下がったら?」
「10年後に売却するとしたらいくらになる?」
ここまで考えて、それでも投資する価値があると判断できるのであれば、その投資には意味があります。
反対に、
「都内だから大丈夫」「土地だから値上がりする」「節税になるから」だけで購入するのは超々危険です。
まとめ|不動産投資は「今の利回り」だけでは判断できない
金利が上昇する中、都内の不動産投資では、毎月のキャッシュフローが厳しくなる収益不動産もあります。
それでも投資する人がいるのは、相続対策だけが理由ではありません。
土地の希少性、インフレへの備え、将来の家賃収入、ローン返済による資産形成、売却時の資産価値、そして税務上のメリット。
さまざまな要素を組み合わせて考えているからです。
だからこそ、不動産投資では、「毎月いくら儲かるのか?」だけではなく、
「10年後、20年後に、この不動産は自分に何を残してくれるのか?」という視点を持ってほしいと思います。
もちろん、キャッシュフローはめちゃくちゃ大事です。
でも、それだけでは不動産投資の本当の価値は見えてきません。
「なぜ、この物件を買うのか」その理由を自分自身で説明できること。
私は、これからの収益不動産投資では、ここがますます重要になってくると考えています。
そして次回は、今回少しだけ触れた「不動産所得と給与所得の損益通算」について、そもそも損益通算とは何なのか、どのような場合に使えるのか、そして「節税目的の不動産投資」で注意すべきポイントまで、次回もう少し具体的に掘り下げてみたいと思います。
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